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フォークリフトの耐用年数と減価償却 | 新車と中古の違いについて解説


フォークリフトの耐用年数

法定耐用年数と実用耐用年数

法定耐用年数とは、法令で定められた減価償却資産の耐用年数のことです。簡単に言うと、減価償却資産として認められる資産が、どれくらいの年数使えば資産価値がなくなるかということです。フォークリフトなどの重機の他にも、減価償却資産として認められる建物や看板、設備類などさまざまものに決められています。

それに対して実用耐用年数は、実用的に耐えられる年数を言い、フォークリフトそのものの寿命期間を意味します。重機として正常に動き仕事をこなせる年数であって法律で定められているわけではありません。

新車と中古の実用耐用年数

フォークリフトの実用耐用年数は、フォークリフトの種類によって異なります。

エンジンタイプの実用耐用年数

エンジン式フォークリフトの実用耐用年数…10年前後

バッテリータイプの実用耐用年数

バッテリー式フォークリフトの実用耐用年数…5年前後

ただし、実用耐用年数はメンテナンスや使い方によって変化するため、おおよその目安として考えましょう。

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フォークリフトの実用耐用年数

新車の法定耐用年数

新車フォークリフトの減価償却資産の耐用年数は4年と定められています。
メーカーや、装備、価格、動力などは関係なく、一律で4年になります。

中古の法定耐用年数

中古でフォークリフトを購入した場合は、前使用されていた期間があるため、新車と同じ4年の耐用年数では計算せず、以下のように簡便法で算出します。

【中古フォークリフトの法定耐用年数計算式】
耐用年数計算式
残っている場合フォークリフトの耐用年数(4年) – 経過年数 + (経過年数×20%)
残っていない場合新車の耐用年数 × 20%

[参考]国税局:No.5404?中古資産の耐用年数

フォークリフトの減価償却費の計算

定額法の計算方法

定額法は、毎年一定の金額を計上する方法で、同じ金額を減価償却費として計上する方法です。
定額法の計算方法は以下のとおりになります。

取得価額(購入額) × 償却率 = 減価償却費

300万円の新車フォークリフトを購入した場合を定額表で計算すると以下のようになります。

事業年度が4月1日~3月31日と仮定して、6月初旬に新車フォークリフトを購入し使い始めたとします。
定額法償却率→1÷耐用年数4年=0.25

取得年(事業用に使い始めた年度)は月割りで計算するので、初年度のみ減価償却費は年度の12分の10になります。
300万円(取得価格)×0.25(償却率)×10/12(月割り) = 625,000円(初年度減価償却費)

上記の計算式にあてはめると、

年度減価償却費期末簿価
初年度625,000円2,375,000円
2年度750,000円1,625,000円
3年度750,000円875,000円
4年度750,000円125,000円
5年度124,999円1円

※5年目については、帳簿価額が1円になるまでの金額が減価償却費となります。

定率法の計算方法

定率法の計算方法は以下のとおりになります。

未償却残高 × 償却率 = 減価償却費

耐用年数4年の場合における定率法の償却率は0.5となりますので、上記と同様の仮定で計算すると、以下の通りになります。

年度減価償却費期末簿価
初年度1,250,000円1,750,000円
2年度875,000円875,000円
3年度437,500円437,500円
4年度437,499円1円

※4年目については、帳簿価額が1円になるまでの金額が減価償却費となります。

[参考]国税庁:減価償却資産の償却率等表

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フォークリフトのメンテナンス方法

年次点検

年次点検は、1年を超えない期間ごとに1回行う自主検査のことで、労働安全衛生法で義務付けられています。年次点検は、有資格者や有資格事業者に依頼して行います。メンテナンスでは以下の項目を確認し、この点検の記録は3年間保管することが義務付けられています。

  • 圧縮圧力、弁隙間、その他原動機の異常の有無
  • ディファレンシャル、プロペラシャフト、その他動力伝達装置の異常の有無
  • タイヤ、ホイールベアリング、その他走行装置の異常の有無
  • かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アーム、その他操縦装置の異常の有無
  • 制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシュー、その他制動装置の異常の有無
  • フォーク、マスト、チェーン、チェーンホイール、その他荷役装置の異常の有無
  • 油圧ポンプ、油圧モータ、シリンダー、安全弁、その他油圧装置の異常の有無
  • 電圧、電流、その他電気系統の異常の有無
  • 車体、ヘッドガード、バックレスト、警報装置、方向指示器、灯火装置および計器の異常の有無

月次点検

月次点検は、1ヵ月を超えない期間ごとに1回行う自主検査のことで、以下のメンテナンス項目を確認します。なお、月次点検の記録は、3年間保管することが義務付けられています。ただし、一か月以上使用する予定がない場合は、点検を行わなくても問題ありません。

  • 制動装置、クラッチおよび操縦装置の異常の有無
  • 荷役装置および油圧装置の異常の有無
  • ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無

始業前点検

始業前点検は、フォークリフトの使用者が業務を始める前に行うメンテナンスで、以下について確認します。

  • 制動装置、および操縦装置の機能
  • 荷役装置および油圧装置の機能
  • 車両の異常の有無
  • 前照灯、後照灯、方向指示器および警報装置の機能

まとめ

フォークリフトを安全に利用するためには、まずは耐用年数の仕組みを知り、法令に違反する事がないように気を付けましょう。また、年次点検、月次点検、始業前点検の実施項目を理解し、怠らないように注意しましょう。これらの点検を忘れず行う事で、フォークリフトの故障を最小限に留める事ができ、故障したまま作業する事による事故も未然に防げ、安心して作業ができるでしょう。