フォークリフトの種類と特徴/カウンターとリーチの違い等について解説
フォークリフトの特徴
フォークリフトとは?
フォークリフトの定義:荷物を積み込むフォーク、ラム等とそれを昇降させる機構(マスト)を備えた動力付き荷役・運送用の機械のこと。
フォークリフトの一般的な特徴
- フォークが地面から約2.5m~6mの高さまで上昇、下降できる。(※最大積載荷重により最大上昇高さが変わる)
- 荷物を車体の前方で持ち上げる為、後方にカウンターウエイトを取付て安定性を高めている。そのため車両重量が比較的大きくなっている。
- 安全上、最高速度は約10~20km/hであり、低速走行が基本である。
- フォークが上昇中に荷崩れを起こして荷物が落ちた場合に、運転者に直接当たらないようにヘッドガードが設けられている。
- 重心位置の高い荷物が運転者側に落ちないようバックレストが設けられている。
- フォークの最大許容高さまで、任意の高さに上昇させ荷物の取り卸しが可能。
フォークが水平かどうか一目でわかる!!
フォークリフトの差し込み長さが一目でわかる
フォークリフトの種類
カウンターバランスフォークリフト
リーチフォークリフトは立った状態で運転するフォークリフトです。
「リーチフォークリフト」は、静止したままフォーク部分だけを前後に動かすことができます。運転は立ったまま行い、小回りが利くため室内や狭い場所での利用に向いてます。
また、フォークのチルト角度を調整する際は、フォークとバックレスト部のみが傾く機構になっています。
サイドフォークリフト
サイドフォークリフトとは、車体の真横にフォークがついたタイプのフォークリフトのことです。角材やパイプ、鋼材など長尺の製品を運ぶのに適しています。
ウォーキーフォークリフト
ウォーキーフォークリフトは、名前の通り歩きながら操作する、乗車のできない歩行走行式のフォークリフトです。比較的小型なのでカウンターフォークリフトなどが入れないような狭い場所での荷物の移動に適しています。
マルチディレクショナルフォークリフト
マルチディレクショナルフォークリフトは全方位に進むことのできるフォークリフトで、前後左右に容易に方向を変えられるので狭い場所での作業に活躍します。
オーダーピッキングトラック
オーダーピッキングトラックは、運転席が荷台と一緒に昇降するタイプのフォークリフトです。高所へ手作業で荷物を積み下ろしたいに活躍します。ただし高所での作業となるため上昇する際にはワイヤーをベルトに繋ぎ、安全確保が必要です。
フォークリフトの動力
内燃機関式
内燃機関式フォークリフトとは、ガソリンやディーゼル、LPGガス、天然ガス等を燃料として動くエンジン車のフォークリフトのことを言います。排気ガスが出るため主に屋外で使用されることが多いです。
蓄電池式
蓄電池式フォークリフトとは、バッテリーに溜めた電気でモーターを動かす、充電タイプのフォークリフトのことをいいます。
現在3トン以下の小型フォークリフトでは、蓄電池式を使っていることが多いでしょう。
また、エンジン車に比べて騒音が少ないので、住宅街での作業や深夜・早朝に作業するときにおすすめです。排気ガスが出ないため、工場や倉庫など屋内の作業に向いています。
フォークリフトの運転に必要な資格
フォークリフトを運転するには資格が必要になります。フォークリフトを操作するために、どのような資格が必要か確認しておきましょう。
フォークリフト運転技能講習
工場や倉庫内等でフォークリフトを運転・操作するためには、フォークリフト運転技能講習が必要です。フォークリフト技能講習を受講し、運転技能講習終了証を取得すると、敷地内でフォークリフトを扱えるようになります。
自動車の運転免許の有無や種類によって必要な講習時間が変わります
普通自動車の免許がない場合:35時間程度の講習受講が必要
自動車免許か限定を除く大型特殊自動車免許の取得者:31時間
受験資格は18歳以上であることのみです。
フォークリフト運転特別教育
最大荷重1トン未満のフォークリフトであれば、フォークリフト運転特別教育を受講すれば操作運転が可能です。フォークリフト運転特別教育は、学科と実技それぞれ6時間以上の講習を修了することで終了証が交付されます。
フォークリフト運転技能講習と同様、受講資格は18歳以上であることです。
特殊自動車免許
特殊自動車免許は、フォークリフトで公道を走るために必要な資格です。
フォークリフトの運転免許だけでは、公道は走れません。
運転するフォークリフトの大きさや最高速度によって、大型特殊自動車免許か小型特殊自動車免許かによって、運転できるフォークリフトの最大速度や大きさが変わります。
フォークリフトで公道を走るためには、特殊自動車免許以外にナンバープレートの分類に対応している運転免許も必要です。
また特殊自動車免許を持っていても、荷物を積んで公道を走ることはできません。
フォークリフトの免許を取得するにあたり、教育訓練給付金制度を利用できる可能性があります。この制度を利用した場合に給付される金額は、支払った費用の20%相当です。
受給資格は、現在仕事に就いているかどうかによって変わります。
現職中:雇用保険の被保険者期間が3年以上であること
離職中:離職日から受講開始までの期間が1年以内で、雇用されていた期間が3年以上であること
フォークリフトが活躍する場所
フォークリフトの資格があればさまざまな業種で活躍できます。
【フォークリフトが活躍する業種の例】
倉庫業、運輸業、食品製造業、鉄鋼業、木材製造業、建設業、土木建築業、解体業、廃棄物処理業、造園・石材業、水道管工事業、電気・電話工事業など、フォークリフトは多くの製造業や物流業で必要とされています。
製造業や物流業の現場に近い職種への就職に際しては、フォークリフトの資格を有している事がプラスになる事が多く、経験があればなお優遇される傾向にあるようです。
労災事故と物損事故に注意
フォークリフト作業中の労災事故
工場や倉庫での仕事に欠かせないフォークリフトですが、事故などの労働災害も後を絶ちません。挟まれ・巻き込まれ、墜落・転落、激突、等、フォークリフトに関係する労働災害が多く発生しています。
フォークリフトの事故を避けるためにも、制限速度を守り、決められた用途の範囲で使用を行い、ルールを守って運転、操作するようにしましょう。
フォークリフト作業中の物損事故
労災事故に比べ企業リスクは大きくないですが頻度が圧倒的に多い事故が、荷物を破損させてしまう物損事故です。フォークリフトの操作を誤ったり、作業を急いだりする際に起こり易いので、労災事故だけでなく物損事故にも注意しましょう。
~よくある物損事故4大原因と安全対策~
まとめ
フォークリフトは幅広い業界で活躍しており、用途に合った様々な種類が存在します。それぞれのフォークリフトに適した用途をよく理解して、適切な使用を心がけましょう。
フォークリフトの資格、免許があれば就職にも有利になる可能性が高いので、仕事の幅を広げたい方は、給付金制度も活用しながら取得されるといいでしょう。