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フォークリフトの4原則と事故対策を解説


フォークリフト4原則

フォークリフトの事故を未然に防ぐためには、以下の4つのルールを徹底することが重要です。

  • 走行速度10km/h以下
  • 基本はバック走行
  • 停止表示を必ず守る
  • 死角の安全確認

各ルールの詳細を説明していきますので、未実施の項目があれば是非取り入れて事故防止対策を進めていきましょう。

走行速度10km/h以下

労働安全規則では最高速度が10km/hを超えるフォークリフトで作業する場合は、適正な速度制限を定める事が義務となっています。そのため速度制限は10km/h以下に設定しましょう。なお、リーチリフトの最高速度は約11km/hですが、カウンターリフトの場合はサイズによって異なりますが20~35 km/hの速度が出せてしまいます。

速度制限

一般的には10km/h以下ですが、場所によって安全に運転できる速度は異なります。坂道や段差などは徐行に制限する等、状況に応じて適正な速度制限を定めて社内規定として周知し、遵守しましょう。

基本はバック走行

フォークリフトは持ち上げた荷物で前方の視界が悪くなるので、その状態で前進することは危険です。バック走行であれば視界がさえぎられていないので、基本的にはバックで走行しましょう。

バック走行時の危険性

衝突事故

フォークリフトでの労働災害の過半数は衝突によるもので、バック走行時の事故事例も少なくありません。また、人だけではなく荷物や壁等への衝突にも注意が必要です。

荷崩れ

バック走行時は後方に気を取られてしまいます。曲がる時に遠心力で荷物が傾いたり滑落する事もありますので、荷役中は荷物にも気を配る事が必要です。

急ハンドル

フォークリフトは狭い所でも操作できるように小回りが利く構造になっているため、急にハンドルと切ると車体を大きく振ってしまいます。急ハンドルによって荷役中の荷物だけではなく、車体自体も横転してしまう可能性がありますので急ハンドルにならないように注意しましょう。

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停止表示を必ず守る

見通しの悪い場所でも他のフォークリフトや歩行者と衝突してしまう危険性が高くなります。そのような事故を防ぐためにも停止表示を必ず守る取り組みをしていきましょう。

看板や標識で注意喚起

建屋の出入口付近や曲がり角等の見通しの悪い場所には看板や標識で注意喚起をしましょう。
危険箇所や一旦停止のルールは口頭で周知するだけでは浸透しづらいため、明確に表示しておきましょう。

指差し呼称の徹底

フォークリフトと歩行者の通路が交わる場所は、一旦停止だけではなく指差し呼称まで徹底して安全確認を行いましょう。
指差し呼称を習慣化する事で職場の安全意識も高まると思います。

フォークリフトと人の通路を分ける

フォークリフトの運転手が近くにいた人に気付かず衝突してしまった事例もあります。このような事故を未然に防ぐためにも歩行帯を設けてフォークリフトの作業エリアと歩行者の通行場所を分けましょう。床面に塗装やフィルムを貼り付けて色分けするか、フェンスを設置してお互いの進入を防止すると良いでしょう。

死角の安全確認

見えている範囲だけではなく、死角となる場所にも注意が必要です。死角にいる人や物に気付くのは非常に難しいので、しっかりと安全確認を行い事故を未然に防ぐ取り組みをしていきましょう。

死角

運転席からの死角はフォークリフトの構造によるものと、周囲の障害物(荷物や建物)によるものがあります。
フォークリフトの構造では前方のマストやサイドミラーで見えない所、周囲の障害物(荷物や建物)では見通しの悪い曲がり角や建屋の出入口付近、積み下ろした荷物の物陰等が死角となります。
死角から人が出てくる危険がありますので、普段からフォークリフトと人の通路を分けておきましょう。
その他の対策として、フォークリフトにブザーや警告灯を設置して接近を周囲に知らせたり、5S活動の推進で作業しやすい安全な環境をつくっていきましょう。

危険予知トレーニング

危険予知トレーニングは作業中の災害に繋がる危険を探し出し、対策する能力を職場全体で高める事が出来る活動です。
災害を未然に防ぐためにもその日の作業前に実施していきましょう。
危険予知トレーニングは毎日の業務の中に組み込んで進める事で定着しやすくなります。

誘導者の設置

見通しが悪く狭い場所や、フォークリフトと作業者の作業場所が重なってしまう場合等は事故を防ぐためにも誘導者を設置しましょう。また、誘導者の合図を事前に決めておく事も必要です。
その他の注意事項を以下にあげていきます。

  • 誘導者は運転手から見やすく安全な位置で指示を行う
  • 指示や合図は運転手に分かりやすく大きな声と動作で
  • 誘導中は注意の状況にも注意し、危険な場合は停止させる
  • 他の作業者を近づかせない
  • 誘導終了時は運転手に伝える
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その他の事故対策

フォークリフトの4原則の他にも様々な事故対策がありますので、以下に紹介していきます。

フォークリフト停止5原則

フォークリフトを駐車する時の基本的なルールです。停止していたはずのフォークリフトが勝手に動き出した、という事がないようにルールとして徹底しましょう。

  • 駐車ブレーキを引く
  • 平地に駐車する
  • フォークは先端が地面につくように前傾させて地面に降ろす
  • エンジンを止めてキーを抜く
  • 車輪止めをする

点検・整備の実施

始業点検を行い、異常はないか確認しましょう。その他にも月次点検と年次点検があります。これらの点検を実施することは労働安全衛生規則によって義務付けられています。フォークリフトを安全に使用するために3種類の点検をしっかりと行い、異常があれば整備をして乗車しましょう。

ドライブレコーダーの装着

事故防止の安全対策としてドライブレコーダーの導入は効果的です。万が一事故が起こった際も原因を分析しやすく、事故後の対策や安全教育にも役立つでしょう。
映像を記録することで安全意識の向上と、ベテラン作業者の技術を共有できることもメリットです。

シートベルトの装着

フォークリフトが転倒、もしくはプラットホーム等から落下して運転手が運転席から投げ出され、車両に挟まれてしまう重大な事故も多く発生しています。シートベルトを装着していたら被害の防止、軽減ができた可能性もあります。
シートベルトが装備されているフォークリフトの運転時には、シートベルトを装着しておきましょう。

荷崩れ防止対策

荷崩れの原因としては荷物の滑り、偏荷重、荷物を高く積み過ぎている事等があげられます。荷物をバンドやストレッチフィルムで固定し、高さ制限もルールを決めておきましょう。
また、金属や樹脂パレットを扱う場合はパレット自体が滑りやすく、滑落による荷崩れの原因となりますので、パレットが滑らない対策もしておくと良いでしょう。

↓パレティーナ・プラパレが滑らない!!

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用途外使用をしない

フォークリフトの用途外使用は禁止されています。主な例としては荷のつり上げや労働者の昇降等で、具体的にはフレコンバッグの吊り上げや、パレットや運転席ではない箇所に人を乗せて作業することがあげられます。
ただし、「労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。」とされおり、つまり安全策を講じればこのような使い方も可能となっていますので、作業内容に適した対策を行った上で作業しましょう。

↓フレコンバッグの紐が切れない!滑らない!

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雨対策

雨天時の危険性については転倒やスリップ、雨による視界不良等があげられます。
転倒、スリップ対策は路面に滑り止め加工を実施するといった対策が有効となります。
それでもフォークリフトは常に転倒やスリップのリスクがありますので、対策後も油断しないよう雨天時は特に注意して運転しましょう。
視界不良の際は誘導者を配置して、運転手は誘導者の指示に従って作業しましょう。

フォークリフト爪操作に起因する事故対策

フォークリフトの爪操作による事故の原因として、以下のケースがあげられます。

  • フォークの差し込み位置の誤認
  • フォークが水平になっていなかった

差し込み位置を誤ると、差し込み過ぎによる奥の荷物や壁の破損、差し込み不足による荷物の落下に繋がってしまいます。
フォークの水平が取れていないまま作業を進めると、荷物からフォークを抜く際に引っかかって落下させてしまったり、差し込む際も製品やパレットの上面を破損させてしまうことがあります。

事故対策として、差し込み長さはフォークに目印をつけて正確な位置に差し込みましょう。
フォークの水平は一旦降車して横から確認するか目線の位置までフォークを上げて水平を確認します。もしくは水平が分かるアタッチメントを装備しましょう。

フォークリフトの差し込み長さが一目でわかる

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フォークが水平かどうか一目でわかる!!

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まとめ

  • 制限速度は10km/h以下に設定し、場所に応じて更なる制限が必要
  • 基本的にはバック走行でも危険が多いため注意して走行
  • 接触事故を防ぐためには停止表示を標識や看板で明確に表示する事と、指差呼称の習慣化。フォークリフトの作業エリアと歩行帯を分けておくとより安全。
  • 死角に対して普段から危険予知を高める教育を実施し、危険が多い作業と判断した場合は誘導者を設置する

その他の事故対策についても積極的に実施し、安全な作業環境をつくっていきましょう!