玉掛けの合図を紹介! 必要な資格や注意点まで解説!

玉掛け作業とは、クレーンを使用して荷物を運搬する際に、ワイヤーロープ等の吊具を
クレーンフックに掛けたり外したりする作業です。重量のある荷物を高所に吊り上げるため
危険が伴いますので、安全に作業するためにしっかりと知識を付けておきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.玉掛けの合図とは?
  2. 2.手サインの玉掛け合図
  3. 3.笛サインの玉掛け合図
  4. 4.声(無線)サインの玉掛け合図
  5. 5.旗サインの玉掛け合図
  6. 6.玉掛け合図に必要な資格
    1. 6.1.玉掛け技能講習
    2. 6.2.玉掛け特別教育
  7. 7.玉掛け合図の注意点
    1. 7.1.合図者の注意点
    2. 7.2.クレーン操縦者の注意点
  8. 8.まとめ

玉掛けの合図とは?

玉掛けの合図はクレーン運転者と玉掛け作業者の意思疎通のために重要な合図です。

法令でも、クレーンを用いて作業を行うときは、クレーンの運転について一定の合図を定め、
合図を行う作業者を指名して、その作業者が合図を行わなければならない事が定められています。
そのためクレーン運転者も玉掛けの合図をする作業者も、合図の内容を正しく理解しておく必要があります。

合図の手段としては「手」や「旗」で行う事が多く、必要に応じて「笛」を補助的に併用することがありますが、
笛のみでの合図は事故を起こしやすいので行わないようにしましょう。

合図の手段と内容を以下にまとめますので、安全な作業ができるようしっかりと把握しておきましょう。

手サインの玉掛け合図

玉掛けの合図の中で最も基本的な方法は手サインとされています。大きな動作で明確に合図を行う事が大切です。

指示内容

旗動作

①

呼び出し

片手を高く上げる。

②

位置の指示

なるべく近くの場所に行き指で示す。

③

巻上げ

片手を上げて輪を描く。
又は腕を水平に上げ、手のひらを上にして上方に振る。

④

巻下げ

腕を水平に上げ、手のひらを下にして下方に振る。

⑤

ジブ上げ

親指を上にして、他の指は握り、水平より上方に突き上げる。

⑥

ジブ下げ

親指を下にして、他の指は握り、水平より下方につき下げる。

⑦

水平移動(走行・横行・旋回)

腕を見やすい位置に伸ばし、手のひらを移動する方向に向けて数回動かす。

⑧

微動

小指又は人差し指で巻上げ、巻下げ、水平移動の場合に応じてそれぞれの合図を行う。

⑨

転倒

両手を平行に伸ばして、転倒の方向に回す。

⑩

停止

手のひらをしっかりと高く上げる。ただし、微動の場合は
そのままで指を握りしめても良い。

⑪

急停止

両手を広げて高く上げ、激しく左右に大きく振る。

⑫

作業終了

挙手の礼、又は両手を頭の上で交差させる。

笛サインの玉掛け合図

笛のみでの合図は聞き間違えによる事故が起こりやすいので行ってはなりませんが、
補助的に使用したい場面もありますので把握しておきましょう。

指示内容

笛合図

①

呼び出し

長く一声笛を吹く。

②

巻上げ

短く間をおいて二声笛を吹く。

③

巻下げ

短く間をおいて三声笛を吹く。

④

停止

少々長めに、短く一声笛を吹く。
30 04

⑤

急停止

短く連続的に笛を吹く。
30 05

声(無線)サインの玉掛け合図

手の動きが見えにくい現場等で声(無線)サインが使われ、トランシーバーや無線機を使って合図します。

指示内容

動作

①

巻上げ

(コ)ゴーヘイ

②

巻下げ

(コ)スラ―

③

伸縮

伸ばせ、縮めろ

④

ジブ上げ

オヤゴーヘイ

⑤

ジブ下げ

オヤスラー

⑥

起伏

起こせ、倒せ

⑦

少し

チョイ


参考までに声の合図の由来や意味をまとめます。
巻上げの「ゴーヘイ」:英語の「Go ahead」ゴーアヘッド
巻下げの「スラー」:英語の「Slack away」スラックアウェイ
「コ」:クレーンのフック(子)
「オヤ」:クレーンのジブ(親)

旗サインの玉掛け合図

旗サインは遠くからでも確認しやすいので広い現場で効果的でしょう。
旗サインも大きな動作で明確に合図を行う事が大切です。

指示内容

旗動作

①

呼び出し

手旗を高く上げる。必要であれば笛の長吹きを併用する。

②

位置の指示

なるべく近くの場所に行き旗で示す。

③

巻上げ

手旗を上にあげて輪を描く。

④

巻下げ

旗を水平にして左右に振る。

⑤

ジブ上げ

手旗を頭部に乗せ、次に手旗を上方に突き上げる。

⑥

ジブ下げ

手旗を頭部に乗せ、次に手旗を上方に突き下げる。

⑦

水平移動(走行・横行・旋回)

片手を移動の方向に水平に出し、手旗を上にあげ移動の方向に振る。

⑧

微動

手旗と手で微動の距離を示した後、巻上げ・巻下げの場合にはそれぞれの合図を、水平移動の場合には手旗だけの合図をつづける。

⑨

転倒

手旗と手を平行に出して転倒の方向に回す。

⑩

停止

手旗をしっかりと斜め上方に高く上げる。

⑪

急停止

手旗と手を高く上げて激しく左右に大きく振る。

⑫

作業終了

挙手の礼をする。

玉掛け合図に必要な資格

玉掛け作業を行うためには「玉掛け技能講習」、もしくは「玉掛け特別教育」の受講が必要です。
クレーンの資格のみではクレーンフックにワイヤーロープ等の吊具を掛ける作業は行えませんので、
クレーン業務にはクレーンの運転と玉掛けの両方の資格を取っておくことを推奨します。
「玉掛け技能講習」と「玉掛け特別教育」の違いも以下にまとめます。

玉掛け技能講習

吊り上げ荷重1トン以上のクレーンの玉掛け作業を行なえます。
受講時間: 15~19時間(約3日)
費用:約40,000円

玉掛け特別教育

吊り上げ荷重1トン未満のクレーンの玉掛け作業を行なえます。
受講時間: 約9時間(約2日)
費用:約20,000円

吊り上げ荷重は荷物の重さではなくクレーンの能力で区分されていますので、
作業前にクレーンの能力を確認しておきましょう。

▼玉掛け作業に必要な資格と受講方法をこちらで詳しく解説

玉掛け合図の注意点

玉掛けの合図は、合図者とクレーン運転者が同じ認識を持つ事が重要です。
意思の疎通を図った上で作業を進めないと重大な事故に繋がってしまいますので、
合図者とクレーン運転者、それぞれが注意しなければならない点を挙げていきます。

合図者の注意点

  • クレーン運転手から確認できる場所で合図を行う
  • 運搬経路や作業範囲の安全を確認し、第三者を立ち入らせない
  • 常に吊り荷を監視し、吊り荷の落下のおそれがある場合は作業を中断する
  • 吊り荷を着地させるときは、着地場所の安全確認と合図者の待機位置に注意する
  • 吊り荷の運搬・着地中に吊り荷の下には絶対に入らず、他の作業者も入らせない
  • 運搬・着地中に吊り荷を手で触らないようにし、安全な距離を取る

クレーン操縦者の注意点

  • 作業開始前にクレーンの点検を行う
  • 移動式クレーンを使用する場合は地盤の状況を確認し、必要であれば補強する
  • 運搬経路や作業範囲の安全を確認し、必要な場合は玉掛け作業者に障害物の除去を要請
  • 吊り荷の下に作業者が立ち入った場合、直ちにクレーン操作を中止し、退避を指示する
  • 吊り荷の運搬中に定格荷重を超えそうな場合は、直ちにクレーン操作を中断

まとめ

  • 重量物を扱う危険な作業のため、安全に作業するためにしっかりと知識を付けておく
  • 玉掛けの合図は一定の合図を定め、クレーン運転者・玉掛け作業者共に正しく把握
  • クレーン運転者・玉掛け作業者の意思の相通は必須
  • 合図の手段は「手」・「旗」・「笛」・「声」で行い、大きな動作で明確に行う事
  • 笛の合図は補助的に使用。笛のみでは聞き間違いによる事故が起こりやすいため行わない
  • 玉掛け作業を行うためには「玉掛け技能講習」か「玉掛け特別教育」の受講が必要
  • 吊り荷の下には入らない、安全な距離を保つ
  • 吊り荷には手で触れない


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