ワイヤロープとは?
ワイヤロープとは、重量物を吊ることに適するよう多数の鋼線でつくられ、チェーンスリングや繊維スリングに比べて高い強度を有しています。
また柔軟性もあり取り扱いも容易で、耐衝撃性や耐摩耗性にも優れています。
ワイヤロープの構成
ワイヤロープは鋼線を素線として数十本をよりあわせてストランド(子なわ)をつくり、そのストランドをさらに心綱へ複数本より合わせて作られています。
例えば、構成記号「6×24」では24本の素線をより合わせてストランドをつくり、6本のストランドをさらによりわせたものになります。
玉掛けに使うワイヤロープの心綱は繊維ロープに油をしみこませたもので構成され、柔軟で強靭なものになっています。
ストランドの数
ワイヤロープは通常何本かのストランドがより合わさっており、多く使用されているのは6ストランドとなります。その他、柔軟性を求められる場合は8ストランド、非自転性を求められる場合はストランドを2層以上にすることがあります。
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ストランドのより方
ストランドは通常7本から複数本の素線がより合わさって構成されています。より方は交差よりと平行よりの2種類があり、その違いを以下に説明していきます。
交差より
交差よりは、ほぼ同径の素線を各層同じ長さになるように組合わせてより合わさっており、各層間の素線同士は点接触状態となっているため、「点接触より」とも呼ばれています。
そのため各素線に作用する引張応力は同じになりますが、点接触の曲げの影響による金属疲労が起こりやすいでしょう。
平行より
平行よりは、異なる径の素線を組み合わせて、下層素線の間に上層素線がすき間なく重なる構造です。素線同士は線接触状態となっているため、「線接触より」とも呼ばれています。
そのため交差よりと違って各層の素線の長さは同じではありませんが、線接触となっているため金属疲労による断線が起こりにくく曲げの影響にも強いでしょう。
より方とより方向
ワイヤロープのよりとストランドのより方向が反対なものを「普通より」、同一方向のものを「ラングより」といいます。さらにワイヤロープのよりの流れをローマ字で表して「Zより」と「Sより」に分けられます。
より方向
ロープやストランドのより方向、「Zより」と「Sより」の違いは下図の通りです。得に指定のない場合は、ロープはZよりで、ストランド製品はSよりで作られます。
より方
・普通より
ワイヤロープのよりとストランドのよりが反対であるため、全体のよりが戻りにくく玉掛けワイヤロープとして多く使用されています。
・ラングより
ワイヤロープのよりとストランドのよりが同じ方向のため、普通よりに比べてよりが戻りやすくなります。
全体の凹凸が少ないため滑車の溝などに使用する際に摩耗の度合いが少ないのが特徴です。
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玉掛け作業でよく使われるワイヤロープの構成
玉掛け作業でよく使用されるワイヤロープの構成は「6×24」と「6×37」で、交差よりロープが一般的です。交差よりは平行よりロープに比べて柔軟性に優れ取り扱いやすいので玉掛け作業に適しているでしょう。
ロープ径
ロープ径には公称径と実際径(実測径)があり、交渉径はいわゆる呼び径です。
実際径は外接円の直径を以下の図のように測定します。正しく三方向から測定し、その平均値を出しましょう。
まとめ
ワイヤロープの構成は数多くの種類があり、玉掛け作業以外でも様々な用途で使用されます。一般的なワイヤロープの構成や、自社で使用しているワイヤロープの構成だけでも把握しておきましょう。
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