玉掛け作業の安全

~玉掛け作業中の事故を防ぐために~

1.玉掛け作業の作業手順

① クレーン誘導
  • 合図により荷の重心位置付近にクレーンを誘導する。
  • クレーンフックの位置を2方向から確認する。
  • 微動巻下げによりクレーンフックをアイ掛けのし易い高さまで誘導する。
積まれた鋼材のイラスト
② 荷掛け
  • 荷に玉掛けワイヤーを掛ける。
  • フックの上でワイヤーが重ならないようにフックの背側から順にクレーンフックへアイを掛ける。
フックにロープのイラスト
③ 地切り

微動巻上げにより地切直前で一旦停止する。手鉤を使用し、直接ワイヤーを手で触れないようにする。重心の目印とクレーンフックの位置を確認してクレーンフックが重心の真上にあることを確認する。つり角度が30°~60°以内の安全なつり角度が保たれていることと玉掛けワイヤーに異常がないことを確認する。

【 333運動の説明 】

333運動の説明
④ 運搬(水平移動)

作業者や障害物に接触しない適切な高さまで巻き上げ、進行方向の安全を確認して移動する。

⑤ 着床
  • 荷降ろし場所にクレーンを誘導し、巻き下げて吊り荷の着床の直前で一旦停止させる。
  • 吊り荷の位置を手鉤で修正します。
  • その際、絶対に吊り荷に直接触れたり吊り荷の下に身体を入れたりしてはいけません。
  • 着床後ワイヤーが張った状態で一旦停止し、周囲の安全を確認してから巻き下げる。
⑥ 荷外し

ワイヤーが少し緩む高さで停止し、吊り荷の安定を確認してから、ワイヤーを外しやすい高さまで巻き下げる。その後、玉掛け用具を外す。

⑦ 片付け

玉掛けワイヤロープに異常がないことを確認して所定の位置に片付ける。

2.玉掛作業中のよくある労災事故事例

吊り荷が揺れて、作業者に接触する労災事故

吊り荷に接触のイラスト

吊り荷が揺れて、作業者がトラック荷台から落下する労災事故

ワイヤーに手挟まれる労災事故

吊り荷とワイヤーのイラスト

吊り荷と地面(番木)との間に手が挟まれる事故

吊り荷と地面挟まれのイラスト

吊り荷と柱の間に手が挟まれる事故

吊り荷と柱のイラスト

3.玉掛け作業で注意するポイント

~玉掛け産業の安全に係るガイドラインから抜粋~

  • ① 玉掛用具の選定は必要な安全係数を確保するか定められた使用荷重等の範囲内で使用する。
  • ② つり角度は、所定の角度(60°)以内とする。
60度以内のイラスト
  • ③ アイボルト形のシャックルを目通しつりの通し部に使用する場合はワイヤロープのアイにシャックルのアイボルトを通す。
  • ④ クレーンの動作中は直接つり荷及び玉掛用具に触れず、手鉤(テカギ)棒を使用する
吊り荷を直接のイラスト
  • ⑤ 吊り荷の下に入らない
吊り荷の下のイラスト
  • ⑥ 玉掛用具を取り外す際はフックの巻き上げによって引き抜かない。
さわらん棒